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新進気鋭の若手指揮者としてアメリカを拠点にし活躍する一方、アート分野での起業家でもある長谷川稜は、現在ブルーミングトン交響楽団(アメリカ、インディアーナ州)の音楽監督兼指揮者、チャールストンユースオーケストラの指揮者、Muditaコーポレーションの代表兼創設者を務めている。世界的に著名な指揮者、マリン・オールソップに師事し、欧米とアジアで数多くのコンサートに出演し、音楽と芸術教育の多様性を促進するためのプロジェクトをこれまで多数立ち上げてきた。
2023年夏には、アメリカで最も歴史が長いシャタクア音楽祭にてデイビッド・エフロン指揮者フェローに選ばれ当音楽祭のオーケストラと複数の共演。近年では、ドイツのハンブルク交響楽団との共演の成功、タイのタセッティアンサンブルとのデビュー公演を成功させ、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでのダイナミックな活動を展開する。近年は師匠のマリン・オールソップの助手指揮者として、ボルチモア交響楽団、サンパウロ交響楽団、American Composers Orchestraなどのオーケストラから頻繁的に招待されている。また、ゲスト助手指揮者として、オマハ交響楽団、オーランド交響楽団、チャールストン交響楽団、ワシントンコーラルアーツなどのオーケストラから頻繁に招待されている。
2019年、チャールストン交響楽団でアメリカデビューを果たし、楽団の指揮者インターンに就任。2023年には当楽団のユースオーケストラの指揮者に就任し、2025年に当楽団とカーネギーホールデビューを予定している。その他にも、ピーボディ交響楽団、ボルチモア室内管弦楽団、新交響楽団(ブルガリア)、および多数のオーケストラと共演。2017年には、マラジエクナ交響楽団(ベラルーシ)、新ギター交響楽団(ポルトガル)と共演しヨーロッパデビューを、翌年にはフェーズ・アンサンブル(オーストリア)との共演を成功させウィーンデビューを果たす。また、タイ・ニューミュージック&アートシンポジウム2021 へゲスト指揮者として出演し、合屋正虎による「篳篥のためのONOKORO 協奏曲」の世界初演を果たす。こうした世界での活躍が評価され、アメリカ ロリンズ大学から「Alumni Achievement Award 2021」を受賞。
オペラ指揮者としても実績が多く、アナポリスオペラ、ピーボディオペラの指揮者として「ヘンゼルとグレーテル」を手掛け、シャタクアコンサーバトリーオペラでは助手指揮者として、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」、「修道女アンジェリカ」他の作品を手掛けてきた。
日本人作曲家による作品や日本の地域の民謡を頻繁に他国で公演し、母国の音楽を世界に広める活動を広く行う。伊福部昭による「弦楽のための日本組曲」、藤倉大による「遠く近い、ふるさと」の米国初演の成功、また武満徹による「ノーベンバー・ステップ」を題材にした音楽知覚認知学の研究が評価され、2021年にピーボディ音楽大学から「多文化主義ピーボディ・ジョージー賞」を受賞。2022年には、ジョンズホプキンズ大学で「インターアジア文化エキスポ」を立ち上げ、音楽とアートを通じてボルティモアのアジアコミュニティの結束に力を注ぐ。
長谷川の熱心な音楽教育への取り組みは、世界中の若い音楽家から広く支持されている。ケニアのロンガイ市にあるヴァネッサグラント女子学校にて、ボランティア講師として音楽プログラムの発展に努めたほか、2022-2023シーズンには ボルティモアユースオーケストラ、ピーボディユースオーケストラの助手指揮者に就任、さらにはアメリカ サウスカロライナ州チャールストン音楽アカデミーでピアノと音楽理論の教員を務め、すべての子供が音楽へ平等にアクセスできることの重要性を認識する。
2019年、日本の音楽とアートの親近性と多様性を促進するために、非営利団体「一般社団法人Mudita」を設立。音楽家やアーティストのチームと共に、Muditaはワークショップやコンサートなどのイベントを都内を中心に主催し、多様なアートコンテンツをオンラインで提供する。また、2022年にはアメリカ、フロリダ州において、若者のアートへの革新的な参加方法を探求する一環として、アーティストコレクティブ「Mudita America Inc.」を設立。日本のアート教育における多様性の欠如に焦点を当て、日本の若者のアート人口の増加、またジャンルや文化の違いを超え、様々なアーティストが共同で活動するアメリカでのアートコミュニティー作りを目指し、Muditaコーポレーションは、彼の革新的なアプローチの下で進歩を続ける。
1997年神奈川で生まれ、2014年に渡米。フロリダ州 リベラル・アーツ大学のロリンズ大学を3年で卒業し、現在、ジョンズホプキンス大学のピーボディ音楽院でオーケストラ指揮の修士課程を経て博士課程在籍中。